いつまでも働ける環境づくり~QCサークル(小集団活動)発表会からの学び

今日は伊勢市の会社様で小集団活動の発表会でした。

夏場は業務多忙と人不足で活動が止まりかけたチームもありましたが、
全チームが揃ってこの場で発表いただけることが一番嬉しく思います。

沢山の生きた事例からの学びがありました。
その中で印象深かった
物流職場の活動を紹介します。

物流職場では、
年齢層が高く今やっている作業を5年後10年後に、
ムリなくできるかどうか不安の声が多くありました。

そこで、
作業負荷の低減
〜 いつまでも働ける環境づくり
をテーマに活動することにしました。

今後、年齢を重ねることにより
「しづらくなる 」作業や動作は?

現場作業を棚卸しして、意見を集約すると
30項目以上の作業や動作が上げられました。

これらから
特に3つの要素が見えてきました。
・重量物を持ち上げる力に負担がかかる
・視力が劣え見えづらい
・歩行がつらい

改善のいくつかを紹介します。

・養生ラップ(20㎏)を自動巻き機へ補充・装填する作業が大変
⇒ ラックサイズを変更して、
置き場所の高さを腰の位置まで上げて、作業の高低差を無くした
更に、
開梱スペースを設けて、
ラックから出さず直接装填できるようにした

リフトのフォーク先端が今よりも見づらくなる。
⇒ 操作ミスにつながるかも?
(見づらい原因)リフト爪”の色が“床面”と同化する
そこで、
リフト爪を塗料マーキング
⇒ 先端を識別しやすくなった

など15項目のカイゼン。
すべての作業について
レベル3(あまり負担を感じない)以下の作業になりました。

殆どお金をかけず、
知恵を出すことで、
身体負担を大きく減らすことに成功。

これからシニア活躍が必要な時代に向けての
横展開できるノウハウが沢山ありました。

その他にも

・ロット替えの時間短縮テーマにおいて
新人にアンケートを取って、説明書を作成。
1回あたり新人半分以下/ベテランは3割時間短縮した。

・リーダーを呼ぶのに大きな声を出す/または歩いて行く。
⇒ブザーを設置。呼ぶのが楽になった

・中国人スタッフとコミュニケーション取りにくい
⇒中国語でわかりやすい仕事の説明書つくった

・材料混合設備3台の入口、出口のホースの長さがいろいろで選びにくい。ホースが床を這っている。
⇒ 長さを計測し設備ごとに使うホースを一覧表化。床に這わすことがなくなり清掃しやすく清潔になった

・容器選定に時間かかっていた。1人3分から10分
⇒ 原料と容器の一覧表をつくり現物に表示することで選定時間がゼロになった

・乳化機の取付けに時間がかかっていた
3年未満の人と5年以上の人の差がが1分、2分
部品の数が多く複雑。
⇒ 入社3年未満の人の意見を聞いて部品リストと組立手順書を作成。
1人で迷わずできるようになった。全体としては3割の時間短縮になった

・生産準備で不便だと感じる人が多い(70%)
⇒ 使うパーツ置き場の置き場と表示を一対一定位置にした
⇒ 不便に思う人が30%に減った
残り30%の人の声を聞くとノズルの位置が高くて取りにくいの言でカイゼン予定。

・ホースやコードなど配線が多く、床置きで引っかかる。
清掃しにくく埃がたまり異物混入や火災につながる。
正直めんどうでスイッチが入らなかったが一念発起して、
不要配線を撤去、適切な長さに配信し直した
⇒ すべての配線が床から離れた。

・包装ラインの段取り替えに時間かかる
⇒ 3人の分担を見直し待ち時間なくなった。
6割時間短縮した

・ラベルし損。日常的にゴミし損が発生していた
紙粉が多くベルトに残る
紙粉が残る3つの要因に対策
・ベルトの紙粉を取り除くためにタオル設置。
・バラバラだった清掃方法を見直し標準化
・除電機やエアの位置を調整
⇒ ゴミし損が6割減った
など
紹介しきれません。

これらの活動からの学びとして

・大事なのは改善そのものよりも改善しようという姿勢
・小さな不満から大きな改善につながる。
愚痴や不満を無視してはいけない
・論理的な問題解決を学ぶと皆がわかりやすい

・ベテランが初心に戻って考える良い機会になった
・日常的にやっている作業の時間のムダをあらためて知る機会になった
・PDCAを活用することで効率的に活動を行える

・小さなカイゼンをコツコツやることで仕事しやすくなる
・カイゼンで安全な職場ができる
・自らこうしたら良くなるのでは?と考えられる人が増えた
など。

素晴らしいですね!

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