業務改善の5原則(1)
改善策の検討
今回は最も優先度の高い業務改善をご紹介します。
いろんな業務改善の方法があります。
たとえば、
コンピュータ化する、治工具をつくる、
2つ以上のものを1つにまとめる、
標準化するなど・・・・
けれども数ある業務改善の中で
何よりも先に検討しなければならないことがあります。
それは何でしょうか?

「やめる」「減らす」
ある会社さんで
入荷物を1階から2階に上げるのがたいへんだということで
入荷物を台車に直接置くようにしました。
台車を使うことで
今まで何度か積み替えていたのが
積み替えなく一回でエレベータを使って容易に
2階に上げるようになりました。
これは、従来のやり方を
より良い
「代替案に変える」
という改善です。
ところが、実はもっと良い方法がありました。
それは、
入荷物を2階に上げるのを
「やめる」
という改善です。
2階に上げているのは受入検査と次の外注に出す準備をするためで
そもそも、それらは必要なのか?
という発想です。
なぜ?受入検査が必要なのか?
なぜ?前の外注から直接、次の外注に送れないのか?
と考えてみることです。
たとえば、前の外注さんの品質レベルが上がれば
受入検査が不要になって、次の外注さんに直送できると思います。
以下、余談です。
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
ISO9001で
「受入検査が必ず必要」
という誤解があります。
規格「7.4.3購買製品の検証」を良く読むと
「購買製品が規定要求事項を満たすために必要な検査、
またはその他の活動を定めて実行しなければならない」
とあります。
この
「その他の活動」
が購買先の品質レベルを上げる活動と考えることができます。
ISO規格は本当に良くできていますね。
業務改善の原則
さて、まとめますと、
業務改善で、最初に検討しなければならないのは
「やめられないか?」
「減らせないか?」
ということです。
対象となる仕事を
「やめたり」
「減らす」
ことができたら
それらの仕事を
「より良い代替案を考える」とか
「標準化」や「機械化」
することも要らなくなってしまいますね。

ある会社さんで
「やめる」「減らす」
を考えてもらったのが以下の例です。
やっぱり
こういうのは現場の人たちに考えていただかないと
わからないことも多いと思います。
皆さんの仕事で
「やめる」「減らす」を考えてみましょう
【製造】
- ダンボールを減らす(通い箱化)
- 2階に上げるのをやめる
- 残業
- 選別
- 巻き取り時の余分な巻き数
- 巻き取り個数を減らす(必要以上に造らない)
- 余分に歩く
- バレル作業の水
- 高速道路の使用
- 外注を使うこと
- 在庫(見込みを減らす)
- 捨てうち
【事務】
- 1枚の請求書をコピーして営業所員が精算ずる
- イレギュラーな作業
- スキャンのやり直し
・シーケンスNo.打刻不備
・ホッチキスはずし忘れ
・設定変更忘れ - 伝票のファイルし直し
- 証憑ののり付け補強をすること
- 証憑の向きを揃え直す
- 受付け入力をする
- 受付け票ごとに枚数を数える
- 保管室への移動
- 証憑の種類と量