ISO9001:2015改定で何が変わる?
ISO規格は、継続的改善を定めたものですが、この規格自体、10年に1度大改定、
5年に1度小改定が義務づけられています。
世の中どんどん変わっていきますし、使う側のニーズも変わってきますので、改定が必要なのです。
その中からポイントをご紹介します。
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2011年にバーミンガム大学のユーザー(皆様認証企業様)へのアンケート調査も行われました。
その情報によりますと、世界的な傾向としまして、以下がありました。
まず、付加価値を与えることがうまくいかなかった。
次に、パフォーマンスよりも適合性重視になっているという点です。
3つめはトップの関心不足が往々にしてあることです。
4つめは、ビジネスプロセスとの乖離です。
そこで、反省点から新規格では
・組織の状況や顧客などのニーズや期待を特定し
適用範囲を見直すこと
・リスクや機会への取り組みを行うこと
・目標達成の方策展開を具体的に行うこと
(方策、資源、担当、達成期限、評価方法まで決める)
・トップマネジメントの役割明確化、そして管理責任者の項目がなくなったこと
・潜在顧客に提供する製品サービスの要求事項を明確にするプロセスを明確にすること
(= マーケティング )
・「パフォーマンス評価」と「改善」の項目ができたこと
などが変更されています。
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新しい規格の構成はガラッと変わります。
現在、ISOのマネジメントシステム規格は、
品質以外にも、環境、労働安全衛生、情報セキュリティなど20個以上あります。
それらを個々バラバラにやっていたのでは、やる事ばかり増えてたいへんです。
そこで、どんなマネジメントでも共通になっているものは全て統合させることになり、
品質、環境、他20個のマネジメントも全て同じ章構成になりました。
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組織は、4章において、
組織の内外の状況を把握して、顧客(ほか利害関係者)のニーズと期待、要求事項を明確化します。
そして、マネジメントシステムの適用範囲とプロセスを決定します。
5章において、経営者がリーダーシップの約束をし、方針、役割、体制をつくります。
6章において、リスク及び機会を洗いだし、取り組むこと決め、目標をつくります。
そして、目標達成の方策、資源、担当、達成期限、評価方法を決めます。
マネジメントシステムを変更する場合、体系的に行います。
7章において、作業環境、組織の知識、認識、コミュニケーションなど資源を提供します。
8章において、製品実現のプロセスを運用します。設計、購買/委託、製造及びサービス提供、納品後のサービス、
不適合を含む製品の管理などを取り決めます。
いわゆる業務のプロセスの部分です。
9章において、監視、測定、分析及び、パフォーマンスの評価を行います。ここに内部監査も含まれます。
これらの評価結果をマネジメントレビューにつなげます。
10章において、不適合の処置及び、「再発防止の」是正処置、そして成果を十分に出してくための継続的改善をします。
以上が新しい章構成です。
今までの規格は、PDCAの構成になっていましたが、新規格は、
「まず、組織を取り巻く状況をしっかりと認識することから」でチェックからのスタートになっています。
「CAPDCA」という言いかたをします。
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ISOをやってよかったこと、うまくいかなかったことをいくつかの会社の方に聞いてみました。
良かったこと
・クレームが減った(3年間で7分の1)
・データ、書類の整備
・現場の認識があがった
・業務の標準化 など
あまりうまくいっていないこと
・全員参加型になっていない
・担当者が審査前に多忙になる
・マンネリ化、目標への執着心
・プロセスの監視(チェックが甘い)
などの声を聞きました。
改定を機会に、うまくいっているところをさらに伸ばして、あまりうまくいっていないところは見直しましょう。
あまり難しく考えずシンプルなISOを一緒に作りましょう!!
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ISO、5S、小集団改善活動の 活コンサルタント 松田英一のホームページへ
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